TOSHIYANの山物語

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 乗鞍岳 3,026m / 薬師岳 2,926m   単独                      
   日程・コース 
     /7月26日 新千歳空港〜成田空港〜新宿駅、バスタ新宿〜松本BT経由(徒歩)
              松本駅〜新島々駅  (徒歩)新島々石川旅館/泊

     /7月27日 (登山バス)新島々BT〜乗鞍高原観光C〜(シャトルバス)畳平へ移動

          畳平登山口〜富士見岳分岐〜肩ノ小屋〜乗鞍岳(剣ヶ峰)〜肩ノ小屋〜畳平
                 
               (シャトルバス)畳平〜乗鞍高原可観光C〜(登山バス)新島々BT〜(特急バス)
              高山濃飛バスC〜(徒歩)高山駅(鉄道)〜富山駅  (徒歩)富山駅前アパH

     /7月28日 (直通バス富山有峰線)富山駅前〜折立

           折立登山口〜三角点〜五光岩ベンチ〜太郎平小屋〜薬師峠〜薬師平〜
           薬師岳山荘(泊)       

     /7月29日 
          
           薬師岳山荘〜薬師岳〜山荘〜薬師平〜薬師峠〜太郎平小屋〜五光岩ベンチ
           三角点〜折立登山口

              (バス富山有峰線折立〜亀谷温泉  (徒歩)白樺の湯/入浴
              (徒歩)白樺の湯〜有峰口駅(鉄道)〜富山駅  (徒歩)富山駅前アパH

     /7月30日 (高速バス)富山駅前〜池袋駅東口経由(鉄道)池袋駅〜成田空港駅、
           成田空港〜新千歳空港  (空港バス)札幌帰還

 今回は、北アルプスの百名山で未踏峰の二山、乗鞍岳と薬師岳を踏破する計画を立てた。単独行である。
 梅雨が明ける7月末に照準を当て、登山口までは鉄道とバスを乗り継ぎ、アクセスは全て公共交通機関を利用する
こととした。
 だがしかし、今年は天候が不順で出発直前まで日替わりでコロコロ変わる有様。それでも多少の雨は覚悟の上、
意を決して松本方面に向けて出発した。
 今回の山行の最初は乗鞍岳。登山口の起点となる新島々まで新宿から高速バスと電車を乗り継ぎ(高速バスは
中央道諏訪インター付近で渋滞に巻き込まれ一時間以上の遅れ)、ようやく19時過ぎに宿に到着。今回の成功を祈り
つつ、ひとりビールで喉を潤す。

       

2024年7月27日/曇時々晴/乗鞍岳 3,026m
  翌早朝、荷物の軽量化のため新島々BTのコインロッカーにザックを預け、乗鞍高原観光センター経由、乗継いだ
シャトルバスにて標高2,702mの畳平まで一気に高度を上げた。
 畳平は、国内ではバスで行くことができる最高地点だそうだ。
 シャトルバスは10分遅れて畳平に到着する。11:00までに畳平を往復しなければならない。分刻みのタイトな日程なの
で頂上へと急ぎ出発する。
 ピークまでの標高差は300m足らず。往復3時間を見込んでいる。地元の藻岩山の標高差と比較すると楽勝のはずだ。
(こちらは標高差約400m、日頃2時間程度で往復、訓練している。)
 
 8:06畳平登山口発。肩ノ小屋まではほぼ平坦な砂利道。脇見もせず黙々と進む。辺りに「不消の池」、「鶴ヶ池」を
望む。肩の小屋でトイレ休憩。
 乗鞍岳で標高の最も高いところにある「権現池」(標高全国第二位)が、ひと際美しく周りの自然に映えている。
 肩の小屋からは、歩きずらい大小石ころの道、スビートは出ない。
 剣ヶ峰が徐々に迫力ある姿で前方に迫ってくる。

 頂上直下はストックも使えない岩稜地帯。おまけに渋滞気味。狭いピークで順番に記念撮影しているせいだ。
 少し待って、ようやく頂上小屋。その先の剣ヶ峰到着だ。9:27。スマホで記念の一枚。帰りのバスの時間が気になり、
早々に下山する。10:54畳平バスターミナル到着。見学するゆとりもなく11:05シャトルバスで帰途に就く。

         

          

          

      

2024年7月28日〜29日/雨のち晴/薬師岳 2,926m  
 前日は、富山駅前のBHに宿をとる。(山から帰った日も同じ宿に泊まるので、余分な荷物は預けた。)
 早朝6:20発の登山バスにて、駅前から登山口の折立まで直行する。
 何やら今にも降りだしそうな怪しげな雲行きだ。前方の山並みは雲の中。

     

 登山バスの車窓からは、行く手に遠く薬師岳方面の山並みや折立に近づくにつれ有峰湖が望まれる。
 天気予報では、今日は終日雨降りとなっているが、登山口までは曇り空である。
 予定通り8:20折立登山口に到着する。
 身支度を整えていると、雨が降りだした。急ぎ雨具やザックカバーを装着する。
 これらに手間取り、8:47登山口を出発する。雨なのでスマホが濡れることを避けて写真はあきらめた。

         

 標高1,365mの登山口から三角点(1,870m)まではキツイ登りが続く。雨の中の急登、覚悟はしてきたが
しばしの辛抱だ。この辺りが太郎坂といわれる急登地帯だ。
 途中の道すがら同年輩の登山者と出会い、同じ山荘に泊まると聞き何かと心強く勇気をもらった(なお、
この方は大変な健脚の持ち主であった。感謝!!)
 ヤマレコでは「青渕」と表示されている三角点に10:26到着。ここまで1時間40分、まずまずのペースだ。
 三角点を過ぎると急登はようやく一段落、幅の広い木段の登りが五光岩ベンチまで続いて行く。、
 晴れていると、この辺りからいく手の展望が効くだろうと残念に思う。
 
 やがて、五光岩ベンチ12:00着。しばし休憩、腹ごしらえをする。
 ここからは、緩やかな木道が太郎兵衛平、そして太郎平小屋へと続く。太郎平小屋12:59到着。ここまでは
コースタイムどおり、順調だ。小屋に登山届を提出する。
 太郎平小屋では、昼食に名物の「太郎ラーメン」を頂いた。暖かく美味しいラーメンに舌鼓。
 今日は、雨で湿度は高いが、気温は低く水分はあまり消費しない。ここまで500mlペット2本。小屋で1本
補給したが、以降下山まで補給なしで済んだ。登山口で500ml3本持参。うれしい予定外の誤算。

       

 さて、昼食ののち薬師山荘に向けて13:34小屋を出発する。
 まずはキャンプ場まで木道を下っていく。ここ薬師峠から岩石帯の急登が始まる。
 道迷いをしないように慎重に進んでいくと、小一時間で薬師平に着く。
 ようやく、緩やかな木道歩きだ。
 この辺りから風雨が強くなってきた。視界も悪く見通しがほとんど効かない。左手のロープを頼りに進んでいくと、
前方に山荘がぼんやりと見えてきた。「やった」と思わず心の中で叫んだ。
 「こんにちは」と入口の扉を開ける。「良かった」、「心配したわよ」と山荘の女将さんらしき人の声。
 風雨が強い中、単独の登山者。さぞ心配かけたのだろう。反省!
 15:50山荘到着である。
 なお、道中出会った登山者さんは30分前に到着していた。さすがに早い!
 
 ここで、薬師岳山荘の宣伝を少々。
 まず何と言っても女将さんの笑顔が素敵!良質なホスピタリティやサービスは全てに行き届いている。
 山荘は清潔感に溢れ、宿泊部屋、寝具も綺麗です。
 食事は内容、量とも十分で美味しい。という訳で言うことなし!

      

 道中出会った登山者の方とは、夕食時に缶ビールで乾杯!色々とお話しいただいた。奈良県在住とのこと。
 これも何かのご縁。これからも折に触れてお付き合い願いたいものだ。(名前は長町さん。)

 さて、翌29日は、頂上からの御来光に間に合うように、宿を3時半に長町さんと共に出発する。外気温は12℃。
 ヘッドランプを装着。途中から長町さんが先行。私は登山道から右寄りに逸れてしまい避難小屋跡の先で合流した。
 ここから少し明るくなってきた岩場の登山道を薬師岳へと進んでいく。空は晴れ渡っている。
 4:48 念願の薬師岳のピークに立つ。ピークには祠も立っている。
 4:49 御来光が顔を出す。神々しい輝きに謹んで拝礼。
 御来光やピークの標識をバックに記念の写真を撮り、4:55下山開始。5:33山荘に戻り朝食を有難くいただく。
 世話になったお礼を女将さんに申し上げ、6:23薬師岳山荘をあとにする。
 太郎平小屋から薬師沢小屋へ、そして雲ノ平方面へと縦走する長町さんとはここで別れた。

           

         

          

         

         

 下山の道すがら、左手には、槍ヶ岳の鋭鋒から西鎌尾根への稜線、鷲羽、水晶岳を望むことができた。
 疲労がたまっているので薬師峠への石と岩場の道は慎重に下る。
 太郎平小屋で小休止し、8:02発。
 昨日の登りでは全く展望がなかったが、木段や木道を下りながら辺りの景色を堪能することができた。
 10:04青渕三角点で休憩。遠くの山並みがよく見える。太郎坂の下りは結構大変だ。
 かくして11:27折立登山口に無事到着した。

         

          

              

         

 折立から12:30登山バスにて富山行きに乗り、亀谷温泉にて途中下車する。
 近くの白樺の湯にて2日間の山行の汗を流すが、帰りに有峰口駅まで炎天下20分歩いたのでまた汗が
吹き出す始末。
 有峰口から富山電鉄立山線にて富山駅まで戻ってきた。
 近くの居酒屋にて、今回の百名山山行の二山踏破達成を祝い、ひとり祝杯を挙げた。

      
  
 こうして北アルプス百名山山行の締めとなる二座を単独制覇、得難い貴重な想い出をのこし無事山旅を
終えることができた。