山の一等三角点                                                     
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 国土地理院の資料(点の記)によれば、美唄山に一等三角点が設置されたのは、明治34年(1901年)
9月であり、今年(2001年)でちょうど設置100周年を迎えます。
 山登りをしていると、よく頂上で目にする三角点の標識。高い山のテッペンには三角点があるのはごく当
たり前のことと思っていましたが、どうも、そう単純ではないようです。

  そもそも、一等三角点とは何なのか。どこにどれくらいの数が設置されているのか。この機会に、一等三
角点について色々と調べてみました。
  以下は、国土地理院の資料をもとにした三角点の調査結果です。


 ● 三角点とは

   国土の正確な地図を作成することを目的に、明治から大正期にかけて「三角測量」という方法により全
 国の測量が行われましたが、そうした測量のため設置された点のことを 「三角点」といいます。その位置
 は 「標石」で示されています。三角点には、測量の密度に応じて最も基幹的な一等から四等までの等級
 が定められており、見通しが良く標高の高い山岳地も多く選ばれています。

 三角測量の歴史

   明治4年(1871年)、明治政府が東京に13の三角点を設置したことが始まりとされ、その後明治17
 年(1884年)陸軍参謀本部により全国的な一等三角測量が開始され、大正2年には一応の完成を見た
 とされています。

   北海道では、明治8、9年に開拓使が南、中央部を中心に約50点の観測を実施、一等三角点の設置
 は明治30年前後に本格化したようです。
   北海道の一等三角点の歴史を地域ごとに見ると、主な設置(正確には選点という。)年は次のようにな
 っています。


地  域    設 置 ヶ 所   設 置 年
道  南  大千軒岳  明治29(1896)
 室蘭岳  明治29(1896)
 道  央  手稲山  明治30(1897)
 札幌岳  明治31(1898)
 道  北  旭岳  明治33(1900)
 礼文岳  明治32(1899)
 道  東  カムイエクウチカウシ山  明治33(1900)
 知床岬  明治37(1904)



  北海道の一等三角点

    北海道には全部で224の一等三角点が設置されています。そのうち、間隔が約40Kmで全道を網羅
 する一等三角点本点が88ヶ所、25Km間隔の密度で設置されている補点が136ヶ所となっています。
  三角点の設置状況は次表のとおりです。 


  区   分     北海道 全  国
一等三角点          224             973
    本点
      補点
          88
         136
            
 
二等三角点           931           5,056
三等三角点        3,807         32,728
四等三角点        8,550         62,395
合 計       13,512        101,152



                出典: 国土地理院「基準点設置点数一覧表」 / 2001.1.5現在  

  一等三角点と山岳
    
     このように、北海道全体が一定の間隔によって224の一等三角点網でカバーされており、このうち標
  高900m以上の山岳地に設置されている一等三角点は65ヶ所を数えています。(概数)
   しかし必ずしも、標高の高 い著名な山の全てに一等三角点が設置されているわけではありません。

     一等三角点の選点には、地理的な位置関係が大きく左右したと考えられ、例えば、広大な大雪山、
  十勝連峰のエリアでは、一等三角点が置かれているのは旭岳、トムラウシ山、富良野岳の三山のみで
   あり、十勝岳や北鎮岳には三角点が設置されていません。また、知床連山を代表する羅臼岳にも三角
  点がありません。

     一方意外なところに一等三角点が設置されているケースがあります。利尻山では山頂ではなく途中の
  長官山に一等三角点が置かれています(山頂は二等三角点)。 ウペペサンケ山では、手前のピーク (糠
  平富士) に一等三角点が置かれており、山頂には三角点がありません。

    一等三角点には、周囲の地形や位置関係、すなわちより遠くを見通すことができ、相手方からもよく見
  えるといった、測量上最適なポイントが選ばれているといえます。


 ● 一等三角点百名山

    一等三角点百名山をご存じでしょうか?
    1988年、山と渓谷社から全国の一等三角点のある山ベスト100が 『一等三角点百名山』 (一等三
   角点研究会編)として出版されています。北海道の山は次の10山が選ばれています。  


    一等三角点百名山   参考 (日本百名山)
  長官山 (利尻山)
  硫黄山
  天塩岳
  旭岳
  トムラウシ山
  富良野岳
  夕張岳
  カムイエクウチカウシ山
  暑寒別岳
  羊蹄山

      
  利尻山
  羅臼岳
  斜里岳
  阿寒岳
  大雪山
  トムラウシ山
  十勝岳
  幌尻岳
  羊蹄山



  ● 北海道の三角点百名山

    北海道の山から三角点のある山ベスト100を選んでみました。
    名付けて、 『北海道三角点百名山 』 です。
    リストアップは、まず一等三角点を優先し(標高、知名度にこだわらず)、二等三角点、三等三角点の
   順に補充するという方法で選びました。
    「こんな山もあったのか」という意外性もあっておもしろい結果となりました。
    「異議あり」という方、メールにてご意見ください!!

     発表!! 『北海道三角点百名山 』はこちらから

     なお、山と渓谷社、道新の百名山で三角点のない主な山は次のとおりです。


 羅臼岳、斜里岳、摩周岳、雌阿寒岳、十勝岳、北鎮岳、
 石狩岳、西クマネシリ岳、平山、伏美岳、戸蔦別岳、1839峰、
 イドンナップ岳、コイカクシュサツナイ岳、崕山、定山渓天狗岳、
 有珠山、駒ヶ岳