日本百名山の踏破を目標に南から攻め上ることとし、これまで九州の百名山を踏破したが、残り少ない人生(と本人
は覚悟している。)にあって効率的な目標達成のために、北からも双方向で同時に登ることとした。
そんな訳で今回、本州の未登頂百名山、まずは青森県の岩木山と八甲田山をターゲットに2泊3日の登頂計画を立てた。
暑い最中の山行かつ3日分の着替え等の荷物もずしりと重たく、雨にこそ降られなかったもののきつい山行となった。
■2021年7月23日/曇り時々晴/岩木山
前泊した宿の真ん前が岩木山神社登山口という絶好の地の利。前日夕刻、登山口を下見して準備万端登る準備を整え、
登頂の無事を記念して神社へのお参りも済ませた。
コースガイドでは、登りの時間は4時間半〜5時間となっていたが、盛夏であることザックの重さを考慮して登りを5時間
40分程度と見込み、岩木山神社(宿の真ん前)を早朝5時に出発した(帰りのバス時間に乗り遅れないため、早めに出発
したものだがこれが大正解となった。)。
このコースは中・上級者向きとされているようで、ましてや暑い季節には登山者が少ないのか、他に登る人は見かけ
なかった。
出発してしばらくは神社の境内や公園のキャンプ地を横断し30分ほどでようやく杉林の中の登山道に入っていく。
登山道は徐々に傾斜を増していき、身体が暑さに慣れてないせいか、背中のザックで重たいせいか早くも息が切れ切れ
になる。こま目に小休止し水分補給、辛抱の時間が続く。この調子では頂上まで辿り着けるだろうかと不安がよぎる。
道はダケカンバの樹林帯となり姥石の標識、このあたりで若い2人組と元気そうな単独の後続者に追い越されるが、
道中、出会ったのは登りのこの3人と下山中の1人だけ。
7:50 ようやく標高1,066mの焼止小屋に到着しホッと一息つく。
ここから大沢に入る。既に登山道に残雪はなく、大きな岩石を越えて登っていく。疲れた身体を登山道脇に咲く可憐な
花々が癒してくれる。
赤い花は固有種のミチノクコザクラだろうか。
高度はかなり上がったが展望はほとんど得られない。時々前方右手を仰ぎ見るとピークらしき姿が垣間見られる。
ほどなく錫杖清水に到着。ここは真夏でも枯れることがない日本の名水と言われている。なるほど冷たくて美味い。
清水に身体を冷やすと生き返ったようだ。思いっきりのどを潤すことができた。
沢を詰めていくと、やがて登山道は平坦になり種蒔苗代、右手に池が望まれる。そして、嶽温泉ルートとの分岐
地点を示す標識が立つ。
この辺りが一の御神坂と言うらしい。ちょっと登って鳳鳴ヒュッテに着く。ここは標高1,490m。
ヒュッテまで来ると、ものすごい人で賑わっている。やっぱり皆んな嶽温泉ルートから登るようだ。
どおりで岩木山ルートは登山者をほとんど見かけない訳だ。納得。
ここから最後の岩稜の登りだ。息も絶え絶えとなる。二の御神坂、三の御神坂と登り切るとようやく岩木山頂上だ。
10:40着。岩木山神社前から5時間40分も要した。残念ながら遠くの展望はない。
帰りのバス時間が気になり記念撮影もそこそこに奥宮等へのお参りを済ますと急ぎ下山する。8合目のバスターミナル
まで急坂を下り、11:37に到着する。11:50嶽温泉行のバスに乗る。
嶽温泉小島旅館の日帰り湯にて心地よい汗を流す。
翌日は八甲田山山行。ここから弘前駅までバスを乗継ぎJR青森駅近くのBHに投宿する。
■2021年7月24日/曇り・ガス/八甲田山
今日は晴れることを期待しつつJR青森駅から 7:45 ロープウェイ行のバスに乗り、八甲田山を目指す。
連休中でもあり観光やハイキング客で満席の大賑わい。
1時間弱で八甲田山山頂駅、ここからロープウェイに乗換え10分ほどで山頂公園駅に到着する。ここの標高は既に
1,300mを越えるという。だが一面ガスっていて視界はほとんど効かない。
9:05山頂公園を出発。しばらくは遊歩道歩き。遊歩道を過ぎるといよいよ赤倉岳への登りとなる。登山道は所どころ
階段状となっていて、かなりの急傾斜である。
だが昨日の登りに比べると、身体が暑さに慣れてきたせいかそんなに苦しくはない。
1時間15分で赤倉岳に着いた。相変わらずのガスで展望はほとんどない。
ここからは気持ちのよいなだらかな稜線歩きだ。井戸岳を経由し大岳避難小屋が立つコルに一旦下って一休み。
25分ほどの登り返しで八甲田山の最高点大岳山頂に11:11到着する。
軽い昼食を食べて酸ヶ湯温泉を目指して11:24下山開始。
下りは大きな岩がゴロゴロ。かなりの急傾斜。足を滑らせないように慎重に下る。途中に鏡沼、桜沼、仙人袋等の
湿原を見ながら、13:13 酸ヶ湯温泉に無事下山する。
下山後は酸ヶ湯温泉玉の湯にて汗を流し、ざるそばを食べて今回の山旅の締めくくりとした。
帰りは、青森までバス、JR・新幹線に乗り、無事に札幌に帰還した。
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