■2025年5月16日/曇り
池袋から西武秩父線に乗って終点の西武秩父駅で下車。初めての利用である。途中には所沢があって西武
ライオンズの本拠地だ。秩父地方は、全国幾つかのお遍路の一つ。秩父34ヶ所観音巡りの地としても有名なようだ。
前泊は、そんなお遍路さんの宿でもある「たちばな旅館」に投宿する。雨予報のせいか、他に宿泊客はいない。
老夫婦が営む旅館にて、早速風呂につかり、夕飯時には恒例の一杯となった。明日からの無事を祝し乾杯!

■2025年5月17日/雨
今回の山行は当初、秩父山系の百名山を三山連続踏破する計画を立てたが、初日の雨中山行の疲れから、
三山目(瑞牆山)は止む無く断念し、両神山と甲武信ヶ岳の二山となった。
まずは、両神山(1,723m)。
登山口は、日向大谷口。終点のバス停。ここに車10台ほどの駐車帯がある。
気になる天気は、ここ3〜4日間の予報はあまり良くない。登山口では早くも雨具の出番だ。
雨の中、意を決して9;20出発。山頂まで6.4kmの行程。ここは標高635m。
このルートは、最も代表的な登山道で、表参道とも呼ばれている。最初は緩やかな尾根道が続くが小沢の渡渉を
繰り返すうちに徐々に傾斜が増していく。ジグを切りながら登っていくと、登山道は岩稜地帯に入る。
無人の清滝避難小屋で一休み。その先、このルート一番の難所、鎖場にぶち当たる。雨で手元足元が滑るので
注意しながら、30m程の鎖場を乗り越える。消耗が激しい。やがて両神神社。拝礼。一旦道は穏やかになり頂上直下
の険しい岩場を登りようやく頂上到着である。13:28着。誰もいない。雨はあがっているが展望はなし。昼食休憩。
ピークの標識をバックにスマホに収め、早々に下山する。

下山後、元の道を戻り秩父鉄道の終点でもある三峰口を右折し、国道140号沿いの宿、「ゲストハウス錦」に投宿。
この宿での一期一会の素敵な出会いと3種酒の手厚いおもてなし、そして重大なマイ・ミステイクは終生忘れられない
思い出となった。ゲストハウス錦は、とてもホスピタリティ溢れる一押しのお宿である。

■2025年5月18日/曇り
さて、2日目は甲武信ヶ岳。二日酔いと昨日の疲れから、身体が重たい。7:30宿を出発。
国道140号を西澤渓谷にある市営駐車場を目指し南下する。ここが登山口になっている。近くの道の駅に立寄り、
水補給。
駐車場にて身支度を整えて出発しようとした時、宿で靴を履き違えたことに気付くも後の祭り。留守電になっていて宿の
電話は繋がらす、間違えたスニーカーのまま登ることになってしまった。相棒の叱咤。激しい後悔と心の動揺!
駐車場を8:45に出発。しばらく車道歩き。25分ほど歩いて登山口の徳ちゃん新道入り口に着く。9:06登山口発。
標高1,150m。
ここから本格的な登山道。緩急交じりの尾根道が続く。途中、つつじやシャクナゲが咲き誇っている。標高1,400mから
1,800mくらいまでは石楠花街道の様相である。疲れを癒してくれる。
1時間ほど登ったあたりで携帯が鳴った。宿の主人と靴の持ち主からだ。只管謝り、このまま登り続けること、下山後に
交換することを約し電話を切った。
徳ちゃん新道はほぼ100mごとに急登が待っている。標高1,800mのやせ尾根の急登を行くと合流点(標高1,869m)に
出る。11:51着。ここから戸渡尾根と呼ばれる岩稜地帯に入っていく。厳しい登りが3時間ほど続く。戸渡尾根分岐14:40着。
木賊山の前後には残雪が現れる。2,469mピーク着。半ば凍り付いた残雪の下り、16分でようやく甲武信小屋到着で
ある。15:12。
小屋に着くと、疲れた身体を布団に横たえ夕食まで2時間ほど、夕食後も只管爆睡。夜中に目が覚めて朝までうとうとと
する。



■2025年5月19日/曇り
朝食後、甲武信ヶ岳ピークを目指す。5:40出発。
疲れた身体をやっとの思いで、前に進める。35分もかかってピークに到着する。6:15甲武信ヶ岳ピークに立つ。
曇っていて展望は良くない。北アルプス方面を撮ったが、山座同定は難しい。
一人の先行者がいたので我々を撮ってもらい、早々に下山する。6:22出発。帰路は昨日の登山道を下る。
10:25徳ちゃん新道登山口に到着する。所要時間はほぼ4時間。
帰りに、道の駅にて腹ごしらえし、BHを予約してある韮崎まで140号線を走らせる。韮崎にてレンタカーを乗捨て、
夕刻、いつも通り反省会と相成った。ホテルの向かい、馬刺しをつまみに地酒で乾杯!
瑞牆山は後日の楽しみとなったが、秩父の山々を味わい尽くす山旅となった。
ありがたや百名山、失敗数々あれど、百名山の旅に悔いはなし!



(了)
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